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第26話 二つの声

last update 公開日: 2026-07-31 20:00:00

着信履歴を見つめた。三回。出なかった、という事実が小さく胸に引っかかる。

折り返すべきか、明日にすべきか、五秒だけ迷った。先延ばしにしても何も変わらない。

意を決して発信ボタンを押すと、一コールで出た。

『遅い!』

「ごめん。外にいて」

『黒瀬と会ってたの?』

「……うん」

電話の向こうで、姉が息をついた。

『ねえ、柚葉』

いつもの命令するような口調ではなかった。どこか探るような、慎重なトーンだった。

『正直に教えて。今、どういう状況なの?』

「……実は、バレた」

『は?』

「私がお姉ちゃんの身代わりだって、最初から分かってたって」

沈黙が続いた。

やがて、静かだが圧のある声が戻ってきた。

『……何やってるの、あんたは』

「私だって──」

『黒瀬が、最初から知ってた?なんで今まで黙ってたの。あんたがちゃんとやってると思ってたから、任

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